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KONO's Diary-休むに似たり



2010-05-12 [長年日記]

_ [] レオの停留睾丸

デジカメの写真フォルダを見ていたら、飼い犬のレオが昨年停留睾丸の手術を受けた後の写真が出てきて、そういえばこの件を日記に書いていなかったと思い立ったのでこの機会に少しご紹介。

人間もそうだが、オスの睾丸というのは、胎児の頃は腹の中にあって、その後だんだん陰嚢に降りてくるものらしい。犬の場合は生まれた時もまだ腹部にあって、生後1ヶ月くらいで降りるという。

これが何らかの理由で降りてこないと「停留睾丸」となる。

小型犬では結構多いらしい(人間にもある)。

レオは、二つの睾丸のうち一つしか降りてこなかった。

 降りてこない睾丸は、腹部のどこかに残っている。放置しておくと将来ガンになり易いので、通常は手術して取ってしまう。停留睾丸は遺伝する可能性が高いので、手術の際にはたいてい去勢してしまう。

レオの場合はどうするか悩んだ。結果、健康な睾丸も取ってしまうのもどうも忍びなかったので、去勢はせず、悪い方だけ取ってもらうことにした。

 幸い、自宅から徒歩五分のところに、そこそこ評判の良い獣医さんがいるので、そこにお願いする。

 手術そのものはそれほど難しいものではないようだが、麻酔をかけて眠らせるので、前日夜から何も食べさせず、水も飲ませてはいけない、と指示される。指示を守って飲まず食わずで、朝連れて行き、入院させる。

ところが、手術前の血液検査でγGPTの数値が高いとかで、「一旦手術を延期しましょう」と獣医さんが電話してくる。いくら犬は年取るのが早いといっても1才(当時)でそんな成人病みたいなこと言われても…と思ったが、獣医さんに続けて「原因はおそらくジャーキー等のオヤツの与えすぎなので、しばらくオヤツを控えて下さい」と言われてしまう。

で、3ヶ月ほどして、また一晩絶食して入院。今度は血液検査もパスして、何とか手術できたのだった。

運が悪いと、腹の中の睾丸がなかなか見つからなくて、手術創を広げて探す羽目になることもあるらしいが、レオの場合はうまく見つけることができた。

手術後二日ほど入院して、一週間で抜糸。それまでは傷口を舐めないように「エリザベスカラー」をつける。ネットで他の人のケースを見ると、購入されている(させられている)方も結構いらっしゃるが、今回は獣医さんが浮き輪のようなエリザベスカラーを貸与してくれた。

通常の「エリザベスカラー」に比べ、この首輪は装着していていくらかラクだろう、と思ったのだけど、やはり犬にはストレスフルだったみたいで、退院翌日頃からレオはいろいろなことをボイコットしはじめた。

 このボイコットがきつかった。なにしろエサをやっても食べないし、散歩に連れ出しても歩かない。最初は、手術で何か具合が悪くなったのかと思って獣医に連れていったが、体温を測り聴診器をあてて「特に異状はありません」という。その帰り道、やはりまったく歩こうとせず、仕方なく犬を抱えて帰宅した。

家の中では、まったく歩かないということはなかったので、身体の具合が悪くて歩けないというわけでもなさそうだった。

それにしても、排尿・排便もしないので、放置しておくわけにもいかない。家の犬用トイレでも排泄するようにしつけてはいるが、外で散歩中にする方がやはり圧倒的に多いので、トイレのために何度か、歩かないのを抱えて無理に連れ出した。

屋外で、過去に排泄したことのあるポイントに置いてやると、何回かに一回は、気乗りのしない顔ながら何とか排泄してくれた。

犬にしてみれば、どうしてこんなエリザベスカラーをつけていないといけないのか全く理解できないだろうし、「こんなもんつけやがって」等と怒っているのだろうなぁ、と想像できた。

抜糸まで一週間もないのだけど、その日が遠く思えた。

レオは抜糸するまで、散歩に出ても歩かないし、食餌もあまり食べなかった。

けれども抜糸の前日、会社に出かけるために身支度をしていると、尻尾を振りながらやってきた。

手術前からの習慣で、人間の朝食が終わった後、犬の朝食になる。ぼくが食事を終えて、歯を磨いたりネクタイを締めたりしているうちに、レオはいつもあっという間にエサを食べてしまって、ぼくのところにやってくる。犬はどういうつもりでやって来るのか判らないが、会社に行くのを見送りしてくれているのだ、と思っている。

退院後数日はこの習慣が途絶えていたのが、手術創が良くなってきたのか、その日は嬉しそうにやってきたのだった(エサは半分以上残していたが)。

それまでエリザベスカラーのせいで色々ボイコットしている中で、この「お見送り」をやってくれたのはちょっと意外で、嬉しかった。頭を撫でてやっているうちに、少し涙が出た。

エリザベスカラーをつけているのは、犬にしてみればイヤに決まっているが、それをつけた人間のことは別に怒っているわけではないのだった。誰の所為でこんなものがついているのか、単に犬の頭脳では理解できなかったのかもしれないが、それでもわが身の境遇を嘆くでもなく、飼い主に尻尾を振ってみせてくれたことに、感動した。

翌日、獣医に見せると、手術の傷は順調に回復していた。結果、当初の予定通りに抜糸し、エリザベスカラーも外すことができた。

抜糸して身軽になった後、早速散歩に連れて行ったが、最初は何か戸惑っているみたいで、歩くことは歩いたけれども、おそるおそるという感じだった。普通に歩くようになったのは翌々日くらいからだった。

そんなこんなで、大病というわけでもなかったが結構いろいろ大変だった。現在、散歩に出ると電柱という電柱の匂いをかいでマーキングするレオを見ていると、やっぱり去勢しておけば良かったかという思いもちらと頭をかすめることもあるが、あのエリザベスカラーつきの一週間のことを思うにつけ、あらためて去勢手術を受けさせようとはまったく思わない。

できうることなら、この犬に関しては、今後他の病気でも手術をするハメにならないことを祈っている。

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カバー画像はWikimedia Commonsより。
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