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KONO's Diary-休むに似たり



2009-05-01 [長年日記]

_ [映画] グラン・トリノ

ワーナーマイカル板橋で鑑賞。 公式サイト(音が出る)

予想していた通りの傑作。たぶん今年はこれ以上の映画を観る機会はないと思う。

朝鮮戦争に出征し、フォードで自動車工として45年働いたウォルト・コワルスキー(クリント・イーストウッド)は、最愛の妻にも先立たれ、頑固爺さんぶりにますます拍車のかかる毎日で、何でもかんでも気に食わない。特に、隣に引っ越してきたアジア人家族は、芝生の手入れ一つしないひどい連中だったが、同じアジア人のギャング団との絡みでその家族の長男タオの面倒を見ることになってしまう。しかし、そのギャング団とのいさかいがエスカレートして……ラストは涙なしでは観られない。

「チェンジリング」にしろ本作にしろ、クリントイーストウッドの映画の中では、主人公たちはいつも「現実」に向かい合う。現実から逃げず、わが身の境遇を嘆きもせず、ただ「現実」に対処する。いわゆるご都合主義的な幸運は決して起こらず、ヤバそうだという件は実際にヤバくなるし、やられそうだと思った人は本当にやられてしまうが、その中にあって、主人公たちは自分に出来ることをしている。たぶんこの辺がイーストウッド映画の魅力で、だからたとえ悲劇的な結末になっても彼の映画は総じて後味は悪くないのだと思う。

ちょっと苦しくなると現実から逃げまくっているぼくなどは、こういう映画を観ているばかりではなく登場人物たちを見習うべきなのでしょう。

イーストウッド以外はこれといって有名な俳優は出ていないし、豪華なセットや特撮もない。予算を使いそうなのは劇中重要な小道具として登場する自動車、1972年型のグラントリノ*1くらいで、見るからに低予算な映画なのだけれども、観ている間はそんなこと全然気にならない。こんな爺さんになれるのだったら、歳を取るのも悪くないかも、とまで思えてしまう傑作なので、未見の方はぜひ。

*1 こちらのサイトによると燃費はリッター1.5kmくらいらしい

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