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KONO's Diary-休むに似たり



2007-07-08 [長年日記]

_ [イベント] 椎名誠講演会「本の力 本の夢」

東京国際ブックフェアのイベントとして椎名誠の講演会があった。

学生時代の頃、この人の本はほとんど読んでいたし、最近も新刊を熱心に追いかけていないというだけでキライになったわけではない。入場無料ということもあって参加申し込みをしておいたのだった。

会場は東京ビッグサイトの会議棟7Fの大きなホール。実は数日前に、「申込者多数のためメイン会場に入りきらない可能性があります」等という主催者からのメールを受け取っていたので、大事を取って開始一時間前に会場へ行く。受付開始は45分前からという話だったが、行ってみるとちょうど受付が早めに開いたタイミングだった。入場券と引き換えにA4版の座席案内の紙をもらったので、指定座席で本を読みながら講演開始を待つ。幸い席は前から9列目の真ん中通路隣という、非常に良い場所だった。

座席表によるとメイン会場は1000人くらいの収容人数で、主催者の話によると全体の参加者が1300人とのことだったので300人があぶれて「第二会場」にまわされた模様。

場内の観客を見渡してみると、学生くらいの若者がやや少ないような気がするものの、人気作家だけあって、老若男女の幅が広い。最近よく参加するネットやブログ関係のイベントから見ると、羨ましくなるようなバラエティである。

定刻に舞台に司会者が現れ、五分間ほど前フリをした後で椎名氏を呼ぶ。実は椎名氏は最前列に座っていたのだが、その声に答えて立ち上がり、ステージに上がる。手提げ鞄を下げていて、中から何冊も本を取り出す。「ぼくは東京の三軒茶屋で生まれて、本所に少し住み、その後千葉の幕張に引っ越しました」という生い立ちを枕に、自分に影響を与えた本にまつわるエピソードを語りはじめる。

紹介した本は、スウェン・ヘディン『さまよえる湖』やベルヌ『十五少年漂流記』を中心に、アラン・ムーアヘッド『恐るべき空白』やマーシャ・ブラウンの絵本『三びきのやぎのがらがらどん』等。『さまよえる湖』『十五少年漂流記』『恐るべき空白』については、これまでにも椎名誠のエッセイなどでことあるごとに書いてあったので、目新しさはなかったが、文章ではなく講演ということでそれなりに興味深く聞くことができた。

少年の頃に読んだ『さまよえる湖』で楼蘭にあこがれ、その後何十年も経ってテレビ番組の取材で本当に楼蘭に行くことができたとき、「夢は追いかければ必ずかなう」と確信したという話は、誰もがそんな風にうまく行くわけないとは思いつつもやはり感動してしまう。

その他「ぼくも"あやしい探検隊"なんて作ってましたが、探検隊っていうのはもともと怪しいもので、正しい探検隊は少ない。マゼランにしてもマルコポーロにしても、探検される方から見たら"略奪隊"であり、たまったもんじゃないですね」という言葉が印象に残った。

椎名誠の純粋な講演を聞くのは今回が初めてなのだけど、実は相当な回数をこなしているようで、朴訥な口調ながら喋りによどみがない。「さまよえる湖」が琵琶湖の25倍の広さで750年周期で動いている、等の数値データもすらすらすらっと滑らかに喋っていた。講演全体では、上述した「夢はかなう」というメッセージの他は特に起承転結などもなく、本の話や辺境での体験談が次から次へと紡ぎだされてくる感じ。想像だけど、数分で話せる短いエピソードが頭の中に大量にストックしてあって、話の展開や残り時間に合わせてそれらを自在に引っ張り出してきて開陳しているのではないか。

最後も特にオチはなく「では時間ですので終わります」の一言で講演を終えてしまって、「こういう終わり方もアリなのか」と逆に新鮮に思えたくらいだった。

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_ [イベント] 東京国際ブックフェア

椎名誠講演会の後、せっかくなので会場を見学。 人が多かった。 以下、箇条書きで失礼。
  1. 「あらゆるジャンルの本が割引価格で買えます」というフレコミで、たぶんそれは間違ってはいないのだろうけど「あらゆる出版社の本が割引価格で買えます」というワケではなかった。新潮社や角川書店等、メジャーどころは販売に熱を入れていなかった。
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  3. 子ども向きの本の販売は専用コーナーが設けられ、盛況。入場客も子ども連れが結構多くて、混雑していた。しかし、こういう「展示会」に子どもを連れてくるのは、個人的にはちょっと疑問。理由は自分でもよくわからないのだけど。
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  5. Google ブック検索をリリースしたばかりのGoogle、しっかり出展してました。内容は当然「ブック検索」。電子出版関係のブースはどこも空いてたのだけどここだけは盛況。
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カバー画像はWikimedia Commonsより。
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