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KONO's Diary-休むに似たり



2007-06-16 [長年日記]

_ [] とてつもない日本

外務大臣ローゼン麻生閣下の新刊。

 日本はまことに不思議な国である。

 敗戦後は一度も戦争をすることなく平和と安定を維持し、数十年に及ぶ努力の結果、世界史上でも希に見る経済的繁栄を実現した。

 にもかかわらず、新聞を開けば、やれ格差社会だ、少子化だ、教育崩壊だ……と大騒ぎ。テレビをつければ凄惨な殺人事件ばかりが報じられ、識者と称する人たちが「日本はなぜこんなにおかしくなったのか」などと語っている。新聞やテレビを見ていると、まるで明日にでも日本が滅びそうな気がしてくる。

 でも、ちょっと待っていただきたい。日本は本当にそんなに「駄目な国」なのだろうか。そんなにお先真っ暗なのだろうか。

 私は決してそうは思わない。むしろ、日本は諸外国と比べても経済的な水準は相当に高いし、国際的なプレゼンスも極めて大きい。日本人が考えている以上に、日本という国は諸外国から期待され評価されているし、実際に大きな底力を持っているのである。

(中略)

 もちろん、目の前に課題がないわけではない。少子高齢化に伴い、人口構成が変わってゆくのは間違いないし、それに応じて政策を変えていかなければならないだろう。社会の活力を維持しながら、セーフティネットを構築することも不可欠だ。しかし、そもそも社会というのは常に変化するものなのであり、それに合わせて臨機応変に対策を講じていけばよいのである。目の前の変化に怯えて、いたずらに悲観ばかりしているのは、かえって国の舵取りを危うくさせるのではないだろうか。

 本書は、そんな思いから、私なりに「日本の底力」をもう一度、見つめ直してみようとしたものだ。ときには話が脇道にそれてしまったり、かなり乱暴な物言いになってしまったりしたところもある。しかし、これは「失言」や「放言」のたぐいではない。発想の転換のために、あるいは考えるヒントとして、あえて暴論、異論めいたことも述べさせていただいた。あまり眉間に皺を寄せずに、柔らかい頭で読んでいただけると有り難い。これからの日本を考える上で、本書が議論のきっかけになれば本望である。

[『とてつもない日本』前書より引用]

…ということで、日本が持つ「底力」を改めて指摘し、今後の方向性についても少し触れた本。上記引用のように、「課題がないわけじゃないが」と断りながらも、「日本はこんなにすごい」「この部分はこれでいいのだ」「あの部分もこれでいいのだ」と、まるでバカボンのパパのように日本の現状をポジティブに捉える文章が続く。いや実際、読んでいる間に頭の中で元祖天才バカボンの主題歌*1が鳴りつづけていたような気がする。

なにしろ「ニートも、捨てたもんじゃない」「高齢化を讃える」「地方は生き返る」云々、ですからね。最初はホンマかいなという気分にもなるのだけど、でも「今の日本では○○が問題だ」「××問題の解決こそ喫緊の課題である」とひたすら問題を煽り立てる書き方に較べると「大筋はこれでよいのだ、細かいところはちょっとずつ解決しよう、それで大丈夫なのだ」という基調で綴られる文章にはやっぱり力があって、読み進めるにつれ気分がよくなってくる。

「リードされる人々をまず肯定しろ」というのはリーダーシップの教科書に書いてあることだけど、麻生さんの場合はリーダーとしての戦略というよりも、普段から天然でこういう物言いなのじゃないかという気がする。そういう意味では、きっと器量の大きな方なのだろう。

ぼくは山口出身なので、現在の総理大臣である安倍晋三に期待するものも多々あるのだけど、こういう本を読んでしまうとどうも麻生太郎に早く総理大臣をやって欲しいなという気持ちも湧き上がってきてしまう。麻生さん、実は小泉さんより高齢だし、近いうちに機会が回ってくると良いのだが。

*1 「タリラリランのコニャニャチワ」。"こーれーでーいいのだー"が1コーラスにつき4回もリフレーンする。

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