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KONO's Diary-休むに似たり



2007-03-31 [長年日記]

_ [DVD] 遠い空の向こうに(October Sky)

買ったまま観ていなかったDVDを観るシリーズ第二弾。

NASAのロケット技術者ホーマー・ヒッカム・ジュニアの高校生時代を描いた自伝"ロケット・ボーイズ(Rocket Boys)"を原作にした映画。

炭鉱の街ウェストバージニア州コールウッドに生まれたホーマーは、高校生のとき、ソ連の人工衛星スプートニクを見て自分もロケットを作ってみようと志す。友人たちと協力して作成に取り掛かり、何度も失敗するものの少しずつ完成度を高めていき、やがては科学コンテストへの出場、さらには将来NASAでロケット技術者になることを考えるまでになる。一方で子どもが大きくなれば炭鉱で働くのが当然と考える父親との軋轢は次第に激しさを増していく……という展開。

「男の子は大きくなったら炭鉱で働く」と考えるのは父親だけではない。フットボール等の才能があれば「街を出られる」が、そうでなければ「炭鉱で働くしかない」というのが現実であった模様。この時代のアメリカの田舎町のそういう雰囲気(今もそうなのかもしれないけど)に、まず考えさせられる。

ぼくが育った街では、「男の子は(女の子もだけど)大きくなったら街を出る」という雰囲気が強くあった。理由は単純で、街に仕事がないから。大学や専門学校等もほとんどなかったから、高校を卒業した後さらに教育を受けるつもりであればほぼ必然的に街を出ることになった。その後大学を出て、市役所に就職するか学校の先生にでもなれば街に戻ることもあったけれども、高校の友達でそういう道に進んだ者はほとんどいない。

映画の中のコールウッドは、街を出たいと思っているホーマーの視点で描かれていることもあって、閉塞感を強く感じるし、(映画の中でも描かれるが)炭鉱の街ということで街そのものの将来展望が暗いものだったという事情もあるけれども、一般論として「この街で育った子どもはこの街で働くのが当然、街を出るのは例外」という雰囲気はそれなりに有用なのかもしれない。特に、ぼくの出身地の現状--同級生どころか育った子どもの多くが街を出て、今や老人ばかりになってしまった--を見るにつけ、その感は強い。

まぁぼく自身、街を出てしまった人間で、もし状況が許せば出身地に残ったのかと聞かれるても正直「よく判らない」と答えざるを得ないので、はなはだ勝手な感想ではあるのだが。

家族間の思いやりやロケット作りの過程などは、まぁ「よく描かれています」ということで。このDVDはもうあまり売ってないみたいでAmazonを見ると結構なプレミアがついているけど、そんなに血眼になるほどのものでもないと思う(逆に肩肘張らずに見られるところが本作の良いところだろう)。

なお映画のタイトル"October Sky"は原作"Rocket Boys"のアナグラムになっている(Wikipediaに教えてもらった)。このタイトルは良いですね。本編もまさに"October Sky"という雰囲気です。アメリカの10月の空も、日本の10月の空と同じような感じなのだろう。

_ [] ロケットボーイズ

ということで、実はDVDが結構気に入ったので原作を図書館で借りてきたのだった。

上下巻で、映画では端折られた部分など詳しく読むことが出来る。端折るどころか、映画では2時間の枠に収めるために相当組み替えたり、原作にないエピソードを追加したり、いろいろやってます。

ぼくは宇宙開発の話が好きなので、どっちが良いかと聞かれれば、なにげに詳しく書いてある「原作」を推すけれども、ノンフィクションとはいえああいう映画化もアリなのかとちょっと認識を改めた。

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カバー画像はWikimedia Commonsより。
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