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KONO's Diary-休むに似たり



2007-03-21 [長年日記]

_ [] なぜ株式投資はもうからないのか

最近よく行っているRTCカンファレンスの主催者、保田隆明氏の新刊。このところの「貯蓄から投資へ」という風潮に警鐘を鳴らし、そもそも株式投資とはどういうことなのか、どうして株で儲けるのは難しいのかを解説した本。

私は、自分の会社の名前がワクワク経済研究所というほどに、みんながハッピーに、ワクワクするような世の中で暮らしたいと思っているので、できれば周りの人たちがそのように何も分からないまま株式投資に連行されて、泣かされるというのは見たくない。(本書「はじめに」より)

_ 実際、本書を読み始めてみると、第1章から「まだ株式投資に手を出してないからといってヤバいことは何もない」「証券会社にとって一般投資家は上客ではないので良い情報は流さない」「海千山千のプロがたくさんいる市場だから、投資の本を何冊か読んだくらいでは"勉強"したうちに入らない」等々、シロートさんの「株でもやろうかな」という心に冷や水を浴びせるような記述が延々とつづく。

どんな分野であれ、ネガティブな情報よりもポジティブな情報の方が読んでいて心地よく、読者も集まりやすい。本書についても、株式投資の良い面を前面に出した方がもっと売れるだろうと思うし、それは著者自身も百も承知だろう。そこを敢えて、ここまで「安易な株式投資の危険性」をこんこんと説いた、ということは、つまり著者の危機感のようなものがそれだけ強かったということだし、ファイナンスのプロとしての著者の良心がそうさせたのだろう。

実はぼく自身も、「そろそろ株式投資をやらないと」などと考えていたのだ。会社の同僚も、学生時代の友達も、ここ1〜2年の間にあの株を買っただのこの株は売りだだのという話をやたらするようになったのに、自分は余剰資金は住宅ローンの繰り上げ返済にまわすばかりでそういう会話に参加できなかったから、そろそろこれを改めて、まずは証券会社に口座を作ってみよう等と思っていたところなのだ。しかし本書を読んで、「まずは証券会社に口座を」なんて言っている自分はカモへの道を一直線に進んでいたことがよく判った。個人的には、これだけで本書のモトは十二分に取れたと思う。

「そうは言ってもまだまだ続く低金利時代、老後資金教育資金のために資産を何とか殖やさないといけないのだ」という(ぼくを含む)読者のために、本書では最終章5章の後半で著者自身の考える投資手法のヒントも書かれている。5章前半部分の「次世代の株式市場予測」と併せて、次の本ではこの辺を中心にした「ワクワクする話」が読めることを期待したい。

本日のツッコミ(全4件) [ツッコミを入れる]
_ ちょう (2007-03-22 19:46)

>ネガティブな情報よりもポジティブな情報の方が読んでいて心地よく<br><br>まさにそうですよね。途中で読み飽きちゃうのではないかというのが、大きな心配でした。まさにご指摘の通りの危機感ということでご理解いただければと思います。<br><br>>次の本ではこの辺を中心にした「ワクワクする話」が読めることを期待したい<br><br>ハイ、また次回作以降では、面白い仕掛け、やっていく予定です。ありがとうございました。

_ えびす (2007-03-22 20:36)

まあ、安定したじゅうぶんな収入があるのならば投資の対象として直接の株取引を選択するべきではないというのは俺も思いますけど。<br> それでもデイトレのような超短期の取引では一般的な株取引とは別のルールがはたらいていると考えていますので近いうちにチャレンジだけはしてみるつもりです。そんな夢でも考えないとやってられないようなしごとをしてる人間がこの社会の底辺には存在しておるのですよ。残念なことに。

_ kono (2007-03-22 23:51)

ちょうサン、著者直々のツッコミ、光栄です。<br>読み飽きるなんてことはなかったですよ。次回作も愉しみにしています。<br><br>えびすサン、ども。<br>それでもチャレンジされるということであれば、どうか冷静にコトを進めてください。成功をお祈りいたします。

_ えびす (2007-03-23 05:15)

あざーっす。まず性格的に向いてるかどうかを試してみて、大丈夫そうなら本格的にやろうと思ってます。まだ先の話ですが……。

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