2009-11-05
_ [Web] 気がつけば82歳
久々の更新。
あまりに更新しなかったので気がついたら82歳になってしまった…というわけではなく、そういうタイトルのブログがあるのだった。
その名の通り、82歳の方が書いておられるらしい。
見つけたのは一ヶ月くらい前で、以来(更新頻度も高いので)日々愛読している。なんというか、文体が、82歳の方が書いたとは思えぬほど瑞々しく、それでいてそのくらいの齢を経た人でないと書けないような内容なので、読んでいて不思議な気分になる。
今日のエントリは結婚記念日。短いエントリだが実に心に沁みる。
2009-09-05
_ [日記] 犬の誕生日
飼い犬レオの二歳の誕生日…と言っても、特別なことは何もせず、朝夕二回の散歩と食事。
こちらの換算表によると犬の二歳は人間でいうと24歳くらいということらしい。生後1年で人間換算17歳、2年で24歳、3年目以降は1年あたり人間換算で4歳になっている。
ITの世界で言われる「ドッグイヤー」は「犬は人間の7倍の早さで歳をとる」というが、それは1歳から2歳の1年間に限った話らしい。
レオがうちに来てからももうすぐ2年になる。家族が皆、犬好きなので、夫婦喧嘩したとき、子どもたちがケンカしたときや怒られたとき、誰かの機嫌が悪いとき等も、この犬のおかげで立ち直りが明らかに早くなっている。日常生活の中で「犬の世話」というタスクが加わって、散歩などに時間をとられるようになったし、床に落ちているものや、コタツなどの低いテーブルの上に出しているものは何でも齧られて、図書館の本を何冊もやられたり*1、ボールペンなどたぶん10本以上ダメにしてしまったけれども、それでも犬を飼って良かったな、と思う。
2歳ではいくらなんでも「これからも長生きしてくれ」と言うには早い年齢だけど、ずっと元気でいてほしいものである。
*1 齧られた本は同じ本を新しく買って、弁償した。弁償できる本で良かった。
2009-08-21
_ [イベント] WISH2009
AMNの徳力さんが「日本のウェブを盛り上げてくれそうなサービスや端末のプレゼンイベントをやってみませんか?」と言ったのが発端のイベント。さらに言えば、梅田さんの「日本のWebは残念」発言から始まった騒動に対し、否定的なことばかり言ってても仕方がないので「残念でない部分」にスポットを当てたイベントをやりましょう、という流れで企画されたものらしい*1。開催告知。
内容的には、日本発の新しいWebサービスについて、ライトニングトーク形式に次々と発表していく、というもの。14のサービスのプレゼンがあって持ち時間は各サービスともわずか6分。プレゼン内容は審査され、高得点だったものは最後に表彰された。
以下、発表された14のサービスを順にご紹介。
- DRESSPHILE
服に特化し、ネットの便利なサービスも一緒に提供してくれるトランクルーム、といった感じのサービス。すごく良く考えてあると思ったけど、ぼくはそんなに服にこだわりがなくて残念ながらこのサービスのお世話になりそうもない。でも似たような体格・趣味の会員同士で服の交換が出来るサービスとか、必要な人はいそうな感じ。
- こくばん.in
黒板に落書きできるサービス。試してみると、チョークの雰囲気が実に好ましいのだが、それだけではなくてタモリさんとか杏仁豆腐等の素晴らしい「落書き」も生み出している。
今回の発表は「低年齢ユーザー主体のUGC運営について」ということで、このサービスの利用者に多い小学生ユーザーに対し、どのような運営上の工夫を行なっているかという話。小学生だと一般的な社会常識やネットのエチケットのようなものをまだ良く知らないことも多いのだけど、それを頭ごなしにとがめるのではなく、運用の仕組みを使って自然と良い方にガイドしていっている。たとえば、「友だち申請」をする際にはマナークイズに正解しなければならない、等。その他にも細かい工夫がいろいろ発表された。
発表としては地味目な感じで、実は賞も特にもらえなかったのだけど、後からじわじわと利いてきて現在ぼくの中では非常に大きな存在になってきている。「ネットについて、子どもに教えられる大人がいない」といわれている中、実際のサービス運営の中でのこのような取り組みは素晴らしく、また、こういう場所での発表というのも実に良い。発表内容はustreamで観ることができる。ちょうどこの発表のときに機材の調子が悪くて、音が聞き取りづらいのだけど、見る価値はある。
- 30min(サンゼロミニッツ)
「30分圏内」をキーワードに小気味良く使えるタウン情報サイト。実はぼくはこのサイト知らなかったのだけど、後から試してみて使いやすいのにびっくりしているところである。全国的にはまだコンテンツのない地域も結構あるようだけど、その辺が充実してくるとすごいサービスになるだろう。
プレゼンテーションは、申し訳ない、ぼくはあまり印象に残らなかった。
- lang-8
外国語学習サイト。自分が勉強している外国語で日記を書き、それを会員同士で添削して効率的に勉強しようという仕組み。
たとえばぼくは英語を勉強しているので英語で日記を書いて、アメリカかどこかのネイティブの会員に見てもらう。代わりにぼくは、日本語を勉強している外国人の日記を添削してあげる、というもの。
このサービスについては以前聞いたことがあって、リクツとしては判るのだけど、そんなのうまくいくのかな、会員集まるのかな、という気が正直していた。
しかしこの日の発表によると、サービス開始後2年で160カ国からアクセスがあり、日本人の会員は全体の2割であるということで、何とかうまく回り始めているらしい。
- cerevo
人気ブログ「キャズムを超えろ!」の和蓮和尚さんが起業した家電ベンチャー。最初の商品はデジカメ。ハードウェアと連携するネットサービスを並行開発して、撮った画像が自動的にネットに送られ、自動的に分類され、保管される、という形で「気持ちよく」使えるカメラになる模様。詳細は8月29日のCJIC2009で発表とのこと。
日本のデジカメ業界って、最近は過当競争気味で、携帯電話同様みたいに多くの業界プレーヤーが無理して泣きながらやってる八甲田山ビジネスになってきていると思うのだけど、さてどうなるか。
- xtel
慶應大学で研究している「ユビキタス・コンテンツ・プラットフォーム」発表当初でデモした雨刀の印象が強すぎて、xtelの発表の内容はイマイチ印象に残らなかったのだけど(すみません)、一時ほど騒がれなくなった「ユビキタス」デバイスも順調に進化しているらしい。
- ユーザーローカル
このページでも使っている「なかのひと」の会社。今回の発表内容は詳細なアクセス解析機能がウリのUser Insight。Webを見ている人のマウスの動きやクリック等を追跡して、ページ内のどこが読まれているか、読まれていないと思われる部分はどこかまでデータ化するという。
元データが閲覧者の視線・脳から直接所得したものではないのだけに、どこまで信用できるのかという部分は残るものの、着眼点は素晴らしい。
- Akky Akimoto
サイボウズラボ秋元氏の発表。プレゼン資料。
発表サービスは読んだ4.com。twitterを使って読書記録をつけるというもの。
会員登録や会員データの保存といったシステムインフラはすべてtwitterに持つという"TaaP"(Twitter as a Platform)というアプローチが素晴らしい。
- sidefeed
sidefeedという会社はこのページでも使っている「あわせて読みたい」他のサービスを作っているところだが、本日発表されたのはインターネットから操縦できるラジコンJoker Racer。発表者はこのサービスのためにsidefeedは退職されるらしい。
ラジコンカーにlinuxマシンを積んで、無線LAN経由で操作可能にし、運転席からのカメラ画像のリアルタイム取得も可能にした上で、利用者にインターネットからそのラジコンを運転してもらおうというサービス。
とってもバカバカしいのだけど、とってもワクワクできる、すごいサービスで、ぼくもぜひ体験してみたい。
- ソニー銀行
ネット専業銀行。この日の発表は人生通帳。 カード等の各種支払日や口座情報等、お金に関する情報を一元化できるというサービスらしい。
お金の話は大事ではあるのだが……ぼくには今ひとつこのサービスのメリットがよく判らなかった。
- 日産自動車
説明不要の自動車大手。発表内容はcar wingsという純正ナビについてくるサービス。カーナビからサービスセンタ経由でネットの情報にもアクセスできるらしい。
それは非常に素晴らしいと思うのだけど、純正カーナビって、機能の割に高価なんだよなぁ…ということで、個人的にはちょっと縁が遠い。
- 三三株式会社
名刺管理を電子化してくれるサービスが売りの会社。会社単位でサービスを使えれば、「A社の人には○○部のBさんが会ったことがある」みたいな、人と人とのつながりの情報が見えてくる、ということで、何だかすごく日本的なサービスである。
名刺を電子化するのに、スキャナで読み込むだけでは読み取り精度の問題があるので人手をかけてやっているそうで、ここが完全に自動化できるときっと大きなブレイクスルーになるでしょう。
- CONIT
ケータイアプリ・サービスの会社。発表内容はiPhone用コンテンツ課金サーバソリューション。iPhoneって、従前の日本のケータイのコンテンツサービスのような「毎月課金」を行なうには技術的な敷居がすごく高いので、それを低くするサービスとのこと。
個人的にはiPhone使ってないのでちょっとピンと来ませんでした。
- 田口元
百式の田口さん、発表内容は会議のためのツールACTION*PAD。
非生産的な会議が多いというのは皆感じているところで、こういう道具を使えば即座に生産的になるのかといわれると難しい部分もあるかもしれないけど、でもこういうシンプルなアプローチが意外と有効な場面も結構あるように思える。個人的にはwikiっぽい更新方法も非常に良い印象を持った。
check*pad等と違って、正式リリースの暁には直接課金になるらしいけど、その構築状況をブログに書いて、ノウハウを開発者でシェアすることにより、開発者を元気にしたいとのこと。
それにしても田口さんのプレゼンは実に達者である。
賞はAMN賞がJoker Racer,Gzmode賞がxtel, C-Net賞がACTION*PAD, ITmedia賞がLang-8, Impress賞がCerevo, BPNet賞がDRESSPHILEで大賞がJoker Racer。
個人的には「得体の知れない可能性」という面でJokerRacerの大賞に文句はないが、Lang-8が日本発でありながらインターネットの特性を活用して国際化している点、またこのサービスだけは(国際的にも英語でほとんどの用がすんでしまう)シリコンバレーからは出てこないと思われる点で、素晴らしいサービスだと思う。
また前述した通り、「こくばん.in」の取り組みも、もっと評価されていい。
当日は聴衆・スタッフ合わせて参加者が400人いたそうで、大盛況でした。まぁそんな感じで、日本のWebはまだまだ盛り上がりそうな予感を得た、という点で、このイベントは大成功だったのではないか。
2009-08-08
_ [イベント]第七回Wikiばな
開催告知。
昔は参加者皆が自分の「ポジションペーパー」を持ち寄ってそれを他のメンバーに見せながら自己紹介する、というようなこともやっていたと聞くが、今回は参加者約150名ということでとてもそんなことはできない。
今回お題の『パターン、Wiki、XP』という本は、ちょっと説明しがたい不思議な読後感の残る本で、このネタでどんなイベントになるのかなかなか想像できなかったのだけど、びっくりするくらい充実したものだった。
どの発表も非常に印象に残ったのだけど、一番ハッとしたのは、江渡さんがWikiを使う前と使った後で感じたWikiに対する評価。Wikiを使う前は「Wikiの仕組みは技術的に優れた点がないので」どちらかというとネガティブな印象を持っていたのが、使ってみると実に良いものだと感じ、「その落差が面白いと思った」というところ。実はぼく自身もWikiはそんなによいものとは思っていなくて、ただその理由が自分でも判らなかったのだけど、言われてみると確かに「技術的にあまり面白くない」というのはネガティブ要素として感じていたので。
ただ江渡さんの場合、その後実際にWikiを使ってみたら評価は逆転したのだけど、ぼくはまだその域には達していない。これは理由はハッキリしていて、ぼくの場合、Wikiを会社で使っているのだけど、「小人さん」にまだ助けてもらえていないからである。
後は…沢田マンションの話は面白かった。有名な建物らしいけど、不勉強なワタシは今回初めて聞きました。漸進的な成長をする建物で、宿命的につぎはぎ感があって見た目は美しくないのだけど、なぜだかそこに住んでいる人たちが生き生きしている。うまく行っているコンピュータシステムの中にも結構同じような印象を持つものがあって、つぎはぎのシステムなんだけど利用者も管理者も楽しそうに使っているとか、ありそうな感じ。技術オタクはここで「次のバージョンでつぎはぎ部分を綺麗に作り変えましょう」みたいなことをつい言ってしまうのだが、その結果楽しく使えないものになってしまう可能性も多々ありそうな感じ。結局、システムとしての整合性・美しさよりも利用者が「生き生き」することを目指すべきなのだろう、ということを非常に強く感じた次第である。
その他発表内容は技術評論社のレポートに詳しい。
2009-07-13
_ [NEWS] キリンとサントリーが経営統合へ
最近のニュースは、新聞やニュースサイト等報道機関の記事よりもtwitterの方が速かったりすることが多い(特に訃報関係)が、このニュースは今朝出勤時、電車で隣り合わせた人が広げた日経の紙面に大見出しが踊っていて、非常に驚かされたのだった。ほどなく他のニュースサイトにも後追い記事が出て、キリンホールディングスは「具体的に決定している事実はない」としているものの、方向性としてそう大きく間違っているわけでもなさそうである。
で、この件とは直接関係ないのだけど、ビールがらみの話を少し。
傑作映画「グラン・トリノ」の中で、イーストウッド演じるウォルト・コワルスキーは、自宅の玄関前で缶ビールをやたら飲んでいるのが、観ていて妙に気になっていた。作中コワルスキーは決して貧民というわけじゃないけれどもさして裕福でもない、という設定で、年金暮らしだし、あんなに毎日ビールを何缶も飲んでいたら、他の食料を買う余裕がなくなるんじゃないか、と思ったのだ。
でも、その後調べてみたら、アメリカではビールの350ml缶が1ドル未満(78セント〜95セント)で買えるらしいということが判って、ああそれならコワルスキーが劇中遠慮なくシパシパとプルタブを開けていたのもムベなるかな、と納得したのだった。
日本の場合、ビールの税金が高いのである。
で、その解決策として発泡酒が生まれ、発泡酒の税率が上がるとさらに第三のビールとか、新ジャンルとかいうカテゴリーが誕生したのだった。
この「発泡酒」や「第三のビール」って、良くも悪くも、非常に日本的なプロダクトだと思う。
「税金が高い」という問題に対し、税金を下げるという(時間のかかる)正面突破ではなくて、税金を回避するというスピーディなアプローチ。そして、ビールとは異なる原材料を使いながら、ビールと見まごうようなよく似た外観・味の飲み物を作り出してしまう技術。
これは他の国には、絶対にマネできない解決方法だと思う。日本の発想・技術力があればこその成果だろう。
でもどうせだったら、ビールの高税率を避けるのだったら、ビールに似た風味の飲み物ではなく、見た目や味はビールとは全く異なるのに、ビール党だったらきっと大好きになるような、新しい酒を開発してくれればもっと良かったのに、とも思う。
もしキリンとサントリーが本当に経営統合するのだったら、新会社で是非そんな新しい飲み物を開発して欲しい。